アルミ押し出しの製造工程

アルミを取り出しビレットに

アルミ押し出し材を作る材料は、当然のことながら「アルミ」です。「アルミ」は、ボーキサイトを加工し、そこから抽出される「アルミナ」を電気分解することによって作ることができます。

作り出されたアルミは、押し出し材の材料として使用するため、ビレットと呼ばれる円柱型の鋳塊に整えられます。

アルミビレットは、長尺のものだと5800mmもの長さに及び、それらを必要な分カットして使用します。

必要分にカットされたビレットは、いきなり押し出し工程に入るのではなく、いったんビレットヒーターと呼ばれる機械で温められます。

アルミの融点である660.4度に達する手前、およそ480度ほどまでアルミを温めたら、いよいよ押し出し工程に入ります。

 

金型を通って押し出し材に

押し出し工程には押出機と呼ばれる専用マシンが使われます。ビレットに強い圧力をかけて、金型へと通すのです。ダイスと呼ばれる金型は、作りたい押し出し材の形によってさまざまに加工されています。

複雑な形のものになると、何枚かの金型を組み合わせて押し出すこともあります。

押し出し工程によって金型から押し出されたアルミは、まだ熱々の状態です。プラーと呼ばれる機械で牽引されながら引き出されたアルミ押し出し材は、いくつものファンが回る特殊なテーブルの上を通って、急速に冷却されます。

もともとアルミは放熱性が高い素材ですから、500度近くあった状態からでもあっという間に室温と同じくらいまで冷却することができます。

冷却されたアルミ押し出し材は、ストレッチャーと呼ばれる機械でねじれやゆがみを矯正され、その後必要な長さに切断されます。切断の際に出る端材は、再生ビレットとしてリサイクルすることができ、無駄がありません。

その後、押し出し材に強度などを加えるための熱処理や、表面を保護するためのアルマイト加工などがおこなわれます。

どのような処理をするかは、加工業者や押し出し材の用途などによっても変わってきますが、基本的には熱処理やアルマイト加工は行われることが多いです。